池の平湿原は標高2000m、数万年前の三方ヶ峰火山の火口原に広がる高層湿原です。池の平周辺の浅間山麓一帯の地域は、温暖な里山から、一気に標高2000m超の山頂へと急峻な地形になっています。そして内陸性気候ということから昼夜の気温差、年間の気温差がとても大きく、特色ある気候条件にあります。
そのため里山に生息する動植物から、本来ならば3000m級山岳地帯に見られるような高山性の動植物までが、この狭い一帯に混在し生息しているのです。そのような特有な環境が、池の平湿原を多様な自然がおりなす、“高山植物の宝庫”としてくれたのです。
6月はイワカガミ、ハクサンシャクナゲ、7月にはレンゲツツジ、アヤメの大群落、8〜9月にはヤナギラン、ノアザミ、マツムシソウ、リンドウなどの草花が咲きほこります。見晴岳、三方ヶ峰の南斜面には、“高山植物の女王コマクサ”の群落(6月下旬〜7月)も見られます。また、ウメバチソウ、モウセンゴケ、ワタスゲなどの湿性植物の観察ができます。
野生動物も、オコジョ、ニホンカモシカ、ノスリ、ハヤブサなどが生息し、木々の間には多くの野鳥がさえずり、また花を求めて集まるベニヒカゲやミヤマモンキチョウ、ミヤマシロチョウなどの貴重な高山蝶も見られます。

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